要するに、ホーキンス博士が、右手を実体化させた。
冬。
空気と共に枯葉が舞う。ホーキンス博士は指を指す。
「能力は存在する」
T川姉が固唾を飲んで、自分を実体化させる。女子高生の時のままだ。
「それは、脳が解放されたから?」
ホーキンスは頷き、コーヒーカップを実体化させ、一口飲んだ。
そこにテーブルが存在し、過去の彼の書斎と椅子が現れる。
ホーキンスは、ため息をつき、コーヒーを口にする「久しぶりだ」
「現実に能力者が現れるなんて。しかもサタンと交流も無く、幸福に」
「それは誰?・・・私は生き返るの」T川姉は事の確信に迫るが、ホーキンスはため息をつく。
「仕方がない事だ。イルミナティーが発見した」
「それは、誰なの?私たちも協力したい」
T川妹が、暗闇から、いや、無から出現する。
ホーキンスはまた、書斎でため息をつく「それはK・・・待て」
風呂場で、日向灘の気配があった。
一方、伊集院はオペラの能力を開花させた。ハーモニーが遅れてやってくる。
「現実に・・・私たちは報われるのかしら」
ホーキンスは後ろで手を組み、愛しそうに、当時の書斎を徘徊する。
「さぁ、わからない。。。だが、気配は感じる」
ホーキンスが続ける。
「君は日本語、僕は英語なはずだ。それも通じている。言語学を超えて」
「彼の能力だって言うの?」
暗転。
もしくは、気配が変わる。K・・・と言う能力者によって、日向灘も、伊集院も意識が等価になった。
「何かが起こるかもしれない・・・」
TEXT 妄想試写会